分子計算が行うこと

立体配座は、主に二面角による構造の異性体ですが、立体配座以外にも、結合の長さや結合角なども分子の立体エネルギーを決定する要因となります。標準的な結合長、たとえばエタンの炭素-炭素結合は1.53Åですが、これより結合長が長くなっても、短くなっても立体エネルギーは増大します。メタンの∠H-C-H結合角は109.47°で、これより大きくても小さくても立体エネルギーは増大します。分子は、結合角、結合長、二面角など分子を構成する各原子の三次元的配置によって一意的に決められます。分子構造計算では、特定の三次元的原子配置をもつ構造の立体エネルギーを求めます。結合の持つエネルギーなどを考慮すれば、燃焼熱を求めることも可能です。